<らぶ♡ふぁみスタッフより>産後・授乳期における抜け毛の原因や予防について、都南産婦人科院長の長尾百合子先生に伺いました。
産後に急激に抜け毛が増える原因は何ですか?
毛髪は、一定のサイクルで成長期、退行期、抜ける休止期という毛周期を数年かけて繰り返しています。成長期は3~7年、退行期は2~3週間、休止期は3か月と言われています。個人差はありますが、早い人では産後すぐ、あるいは数週間してから毛髪が休止期に入ることがあるため産後の抜け毛が起こります。これは、妊娠中に増加した女性ホルモンのエストロゲンが産後正常に戻ることにより、ホルモンのバランスに変化が起こるためと言われています。
抜け毛と授乳期との関係性は?
妊娠中はエストロゲンの分泌が活発になりますが、産後・授乳期は、プロラクチンという母乳を出すホルモンの分泌が増えるため、エストロゲンの分泌が抑制され、産後の抜け毛が起こります。しかし、産後のホルモンバランスの乱れは生理的なものなので、約1年以内、授乳を終える頃には回復することが多いです。
どのような事に気をつければ改善するのでしょうか?
まずは、自然に回復することが多いので心配しすぎないことが大切です。
産後、授乳期間中は、どうしてもお子さんのことがメインになりがちで、ママにとっては、自分のことが後回しになってしまうことが多いですよね。さらに、ホルモンバランスの変化も加わると、抜け毛だけでなく体調不良になることも多いので、次の3つのことに気を付けましょう。
①十分な睡眠をとること。
②タンパク質やビタミンなどの栄養バランスのとれた食生活を心がけること。
③ストレスをためないこと。
家族や周囲の人の力も借りて一人で頑張りすぎないようにして、ママの不安を取り除くことが大切です。また、抜け毛の症状がなかなか良くならないで長期化するような場合には、他の原因や何らかの疾患が関係していることもあるので、かかりつけの皮膚科にご相談していただくことをお勧めします。