「風邪をひくと、いつも咳が長引くんです。」「寝入りばなや朝方に咳き込むことが多くて…。」
診察の中で、こうした声をよく聞きます。実はこれ、小児喘息のサインかもしれません。

喘息は、気道に慢性的な炎症があることで、ちょっとした刺激でも空気の通り道が狭くなり、咳やゼーゼーといった症状が出る病気です。特に2〜4歳ごろに症状が強く出やすく、ダニやホコリ、花粉、ペットの毛などのアレルギーが関係していることもあります。

 喘息の特徴は、寝入りばなや明け方に咳が出やすいこと、風邪やアレルギー、冷たい空気、運動、笑いなどの刺激で咳き込みやすいことです。特に秋は要注意の季節。朝晩の寒暖差や空気の乾燥、台風、秋の花粉などの影響で、発作が起こりやすくなります。今まで大丈夫だった子が、秋になると急に症状が出ることもあります。

 喘息の症状や程度には幅があります。風邪をひいたときに咳が長引く程度の子もいれば、風邪のたびにゼーゼーと苦しそうな発作が出る子もいます。軽めの喘息であれば、症状が出たときだけ薬を使いますが、症状が強めのお子さんには、日常的に飲み薬や吸入薬を使って、発作を予防することが大切になります。

 喘息は検査ではわかりにくく、日ごろの咳のタイミングや様子が診断の手がかりになります。咳が出やすい時間帯やきっかけを、診察時にぜひ教えてください。

 風邪を引くと咳が長引く、寝入りばなや朝方に咳き込みやすいといった症状は、喘息のサインかもしれません。気になるときは、早めに小児科で相談してみてください。