春の訪れとともに新学期が始まります。今回は、新学期に行われる学校健診について、その重要性と保護者が知っておきたいポイントをお話しします。
学校健診は、症状に対して病院を受診する場合と異なり、自覚症状がない、または症状があっても受診に至っていない異常を早期に発見し、医療機関の受診を促すことを目的としています。身長・体重、眼、耳、鼻、脊柱・四肢、皮膚、心臓、歯、尿検査など、全身をくまなく診察し、見逃しがないようにします。
低身長、心雑音、血尿などは自覚症状がないことが多く、肥満やアトピー性皮膚炎などは、症状があっても受診に至っていないケースがあります。
自覚症状がない異常で特に注意したいのが「側わん症」です。これは背骨が曲がる病気で、進行すると腰や背中の痛み、さらには呼吸障害が出ることもあります。10歳以降の女児に多く見られますが、初期は症状がないため、健診による早期発見がカギとなります。側わん症を調べるための調査票が事前に配布されるので、ご家庭でしっかりチェックして記入しましょう。
最近、健診時のプライバシー保護が問題となっています。子どもたちの羞恥心に配慮しつつ正確な診察を受けられるよう、家庭・学校・学校医が連携して準備を進めることが大切です。また、ご家庭でも健診の重要性を子どもに伝え、理解を深めておきましょう。
健診後には、学校から配布される健診結果を必ず確認し、異常が指摘された場合は早めに病院を受診することが大切です。お子さんの健康を守るため、学校健診を有効に活用しましょう。