夏から秋の季節は、お祭りやピクニックなど外で食事を楽しむ機会が増えますが、気温が高くなると、細菌が増殖しやすく食中毒のリスクが高くなります。クリニックにも食中毒を発症して受診される方が多くいますが、適切に予防策をとることでリスクを減らすことが可能です。

主な食中毒の原因となる菌には、サルモネラ、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌などがあります。サルモネラは鶏肉や卵、カンピロバクターは鶏肉の加熱不足が原因となります。原因食品を食べることで、菌がお腹の中で増殖し数日かけて発症します。鶏肉は中までしっかり火が通っているか確認し、鶏肉を切った包丁やまな板と生で食べる野菜などが触れないように注意しましょう。生卵は高温下での放置を避けましょう。
た、爬虫類や両生類などのペットがサルモネラを保有していることがあり、特にミドリガメから感染した報告が多いです。ペットに触った後は必ず手を洗うようにしてください。

黄色ブドウ球菌は手に生息している菌が調理中に食品に付き、高温環境で菌が増殖する際にエンテロトキシンという毒素を産生し、その食品を食べることで発症します。食品で産生された毒素がお腹に入ることで発症するため、原因食品を食べてから数時間で症状が出現することが特徴です。調理の前の手洗いや調理後の食品を長時間温かい状態で放置しないことが重要です。

食中毒で楽しい思い出が台無しにならないよう、これらの点に注意して安全な食事を心がけましょう。