らぶ♡ふぁみvol.3掲載 ※無断転載禁止

妊娠・出産で歪んでしまった骨盤の影響について、都南産婦人科院長の長尾百合子先生に伺いました。

妊娠・出産で歪んでしまった骨盤の影響

産後の骨盤のゆがみは「骨盤底のゆるみ」やエストロゲンやプロラクチンといった「女性ホルモンの影響」の関連性が大きいといわれています。
分娩時、赤ちゃん は骨盤底に囲まれた産道を押し広げながら出てきます。このとき骨盤底の筋肉や組織は損傷をうけます。骨盤の底にはハンモックのようになった三重構造の骨盤底筋があり、子宮や膣、直腸、膀胱などを支えています。さらに骨盤底筋はお腹の中の臓器も下から支えています。骨盤底筋は身体の他の筋肉と同じように何もしないと衰えてしまいます。

加齢や運動不足も原因の1つですが妊娠、出産を経験した方がより骨盤底筋が緩んでいると思われます。最も多くの方に見られる症状では、尿もれ!咳やくしゃみをした瞬間などに「しまった!」という経験はありませんか?尿失禁の多くは骨盤底筋肉のゆるみが原因です。
また、臓器下垂といって子宮や膀胱が下降してしまう可能性やひどい場合は子宮脱や膀胱瘤などの後遺症につながることもあります。その他に、産後の骨盤のゆがみによる影響として「恥骨結合の離開」や「腰痛」になることもあります。

出産後、体力が回復してきたら骨盤底トレーニングから始めることをおすすめします。

骨盤底トレーニング

産後3週間を過ぎ、会陰の痛みが消えてきたら始めましょう。軽い尿失禁は正しいトレーニングで治せます。

①仰向けに横になり両足を肩幅程度に開いて両ひざを軽くたてましょう。
②尿道、肛門、膣をきゅっと絞めたり、ゆるめたりし、これを2~3回繰り返します。
③次は、ゆっくりぎゅっと締め、3秒間ほど静止します。その後、ゆっくり緩めます。 これを2~3回繰り返します。締める時間は少しずつのばしていきます。

1回5分程度から始めて、10~20分まで、だんだん増やしていきましょう。