らぶ♡ふぁみvol.8掲載 ※無断転載禁止

なかなか、しっかり睡眠を取ることがむずかしいママ。しかし、睡眠が取れないと心身にも影響が…。ママのための睡眠のとり方について、都南産婦人科院長の長尾百合子先生に教えてもらいました。

睡眠の役割について教えてください

睡眠は生命力を生み出す源です。睡眠の代表的な効果は、脳を休ませ、自律神経の働きを整えストレスからの回復・耐性も向上します。記憶を整理し定着させる、免疫力を上げて抵抗力を高める、脳の老廃物を除去するなどです。
睡眠のリズムの中で、深い睡眠(ノンレム睡眠)が得られるほど、体内の修復・回復を促す成長ホルモンが多く分泌され、体内での代謝活動が促進されます。

睡眠不足がもたらす影響について教えてください

質の悪い睡眠や慢性的な睡眠不足は日中の眠気や判断力の低下だけでなく免疫力も下げホルモン不足や自律神経に悪影響を与えます。イライラして怒りっぽくなり気持ちがネガティブになるなど心の健康にもかかわります。
ママの10~15%にみられる産後うつ病は、産後3週目ごろから精神症状(気分の落ち込み、不安、イライラ感、無気力感など)や身体症状(吐き気、倦怠感、頭痛など)を引き起こす病気です。症状には個人差があり、数ヵ月間で改善することが多いとされていますが、なかには数年にわたって症状に苦しむママもいます。産後うつ病の発症メカニズムは詳しくは解明されていませんが、睡眠不足による疲労の蓄積も発症の一因になると考えられています。

良い睡眠を取るためのアドバイスをお願いします

産後のママは、育児に疲れてぐっすり眠りたいはずなのに、夜中の授乳などでどうしても睡眠不足になりがちです。
 眠れていないことや、出産によるホルモンバランスの変化で、些細なことでイライラしたり、落ち込んだりしてしまいます。
 質の良い睡眠を得るには、普段から軽い運動をしたり、こまめな睡眠をとることなどが必要です。わずかな時間を利用してのストレッチや、自宅でも体を動かすことを心がけてください。 また生まれたばかりの赤ちゃんは、長時間眠ることは少ないのですが、短い時間でも赤ちゃんと一緒にできるだけ寝るようにすることも大切です。
 明るく元気なママでいるためには、家族の方に協力してもらうことも必要です。

豆知識~仮眠について~

ほんの少しの間、仮眠をとるだけで頭がすっきりした経験がある人も多いでしょう。仮眠をとる時間は15分から20分程度が良いとされています。30分以上眠ってしまうと不快な状態で目覚めたり、もっと長く眠りたくなったりして、逆に疲労感が増してしまうことがあるので注意が必要です。