らぶ♡ふぁみvol.7掲載 ※無断転載禁止

自律神経が身体にもたらす影響について都南産婦人科院長の長尾百合子先生に教えてもらいました。

自律神経の役目を教えてください。

交感神経と副交感神経からなり、それらは正反対のはたらきをしています。その2つがバランスよく働くことで、より良い健康状態を保つことができます。
交感神経はおもに昼間の活動時や緊張時、ストレスを感じる時などに働き、その時には心拍数が増えたり、筋肉が硬くなり、また血管が収縮したりします。

逆に副交感神経はおもに夜眠っている時に働きのピークを迎えます。そのほか、食事中や入浴中、リラックスしている時などにも働き、心拍数が落ち着き、筋肉もゆるみ、また血管もふわりと広がります。さらに胃や腸などの消化器系の動きも盛んになり、栄養の吸収や老廃物の排出も促進されます。

自律神経が乱れると身体にどのような不調がおきますか。また原因は何ですか。

自律神経が乱れるのは、交感神経の緊張と副交感神経の抑制状態のことをいいます。交感神経の緊張による症状は、イライラ、動悸、息切れ、不眠、頭痛、立ちくらみ、めまい、冷え性、肩こりなど。副交感神経の抑制による症状は食欲不振、胃もたれ、便秘、下痢、無気力、集中力低下などがみられます。

原因には、ストレスや不規則な生活習慣などがあります。ストレスがかかると、まず交感神経が反応し、次に副交感神経がゆっくりともとの状態に戻します。しかし手足を動かすことはできますが、腸を動かしたり血管を広げたりすることは自由にできませんよね。つまり自律神経が乱れると自分では中々治せないので、それが不調になり身体に表れます。

自律神経を整えるためのアドバイスをお願いします。

ストレスはすぐには改善できない事も多いので、まず今日からでも出来そうな「生活習慣の改善」を始めはいかがでしょうか。朝起きて日中はしっかり活動、睡眠時間を十分に取る、食事を規則正しくバランス良く食べる、アルコールはほどほどに、適度に身体を動かすなどです。また自分が安らげると感じられる事を定期的に取り入れ、自律神経のバランスを整える方法も良い効果が得られます。