らぶ♡ふぁみvol.6掲載 ※無断転載禁止

女性だからこそ知っておきたいがんと検診について都南産婦人科院長の長尾百合子先生に教えてもらいました。

女性特有のがんの種類や特徴を教えてください

女性特有のがんは乳がんや子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)、卵巣がんなどがあります。これらのがんはみな最近日本で増加しております。なかでも乳がんは日本人女性の部位別がん罹患率の第1位です。年間約8万5千人が罹患し1万4千人が死亡しています。

また子宮頸がんはとくに20歳~40歳代の若い世代の罹患が増加していることが問題です。年間約3万3千人が罹患し(上皮内がんを除く浸潤がんは約1万人)約2千9百人が死亡しており、患者数、死亡数とも近年増加傾向にあります。

検診は実際にどのように行いますか?

マンモグラフィは乳房を挟んで圧迫し1側2方向のⅩ線撮影を行います。乳がん検査はそのほかにも超音波検査やMRI等がありますが、現時点で検診としてはマンモグラフィが推奨されています。しかしマンモグラフィは乳腺密度が高い40歳代の女性には検診精度が低くなるという課題もあり、マンモグラフィ検査に「超音波検査」を組み合わせたりする施設もあります。

子宮頸がん検診は婦人科内診台に座り膣鏡で膣を展開し子宮頸部をまんべんなく擦過し得られた細胞を検査します。この検査にて陰性(NILM)以外は二次検診が必要となります。

何歳位から検診を受けるべきですか?

乳がん検診(一次)は、国の指針によりますと、対象は40歳以上で、2年に1回の問診とマンモグラフィが基本になっています。
子宮頸がんの検診は、対象年齢が20歳以上の性交渉の経験者で年齢の上限はありません。

検診に子どもを連れて行ってもいいですか?

検診の種類や子どもの年齢によっては支障のない場合もありますが、あらかじめ施設にご相談されてから受診された方が良いでしょう。

育児奮闘中のママたちに向けたメッセージ

私は「ママの笑顔はお子さんや家族にとって太陽のように大切!」であると思っております。ママが笑顔でいるためには、まずママの心と身体の健康が一番です。子育ては一人で頑張りすぎないで、家族や友人または周囲の方に支援していただきながら、けっして一人で悩まず、ご出産された医療機関等に気軽にご相談されることをお勧めします。