親からリクエストが多い「すり傷」について
おすすめの対処法を聞きました。

子どもは傷ができてもすぐ治るというのは免疫の観点からも本当です。
しかし、たかだか「すり傷」と思って放置した傷が成長してからも瘢痕※として残って後悔したことは誰しも経験していることではないでしょうか?

クリニックに来る患児の中でも誤った初期対応で傷がむしろ悪くなったケースも少なくありません。
「傷を消毒液で拭いてそのまま乾かしていたら化膿してしまった」
「キズパワーパッドを貼っておいたけど全然治らない」
「すぐに血が止まったから大したことないと思って連れてこなかったけど意外と深かった」
など、どのケースももちろん判断に迷ってのことと思います。

では傷の見方や対処はどうしたら良いのか?
すり傷は外で転んでできることがほとんどで、砂で汚れている場合はそれが残ることで化膿したり傷の治りが悪くなり、瘢痕になりやすくなります

傷を早くきれいに治すには初期の段階で汚れをしっかり落とすことが重要です。水道水や石鹸で落としてあげたいところですが、子どもにとって傷は痛くてしみるので難しいと思います。
そこでお勧めなのは洗うというよりワセリンを塗って「汚れを浮かしておく」ことです。子どもにも「薬を塗る」と言う方が抵抗感も少ないと思いますし、ワセリンの保湿は鎮痛や止血も促し、その後の洗浄にも効果的となります。傷をきれいにした上でパッドを貼ってあげると良いでしょう。抑えないと止まらない出血があったり、傷だけでなく腫れていたり、あまりにも広く汚染された傷の場合はなるべく早めに受診をしましょう。