薬局に処方箋を持って行った際に「その薬は入荷がありません」と言われたことはないでしょうか。

2021年頃から咳止め薬や去痰薬、解熱鎮痛剤、抗生剤などの薬不足が続き、処方された薬が薬局に置いていないことが度々あります。薬を処方しても薬局にないことがあり心苦しいのですが、私たちもこれまで経験したことがない状態でとても困惑しています。

最近の薬不足は、ジェネリック医薬品メーカーで製造上の不正が発覚し業務停止などの行政処分が相次ぎ、ジェネリック医薬品の供給が減っていること、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの流行で薬の需要が増えたことなどが原因です。

不足している薬の中には病院での処方がなくてもよい場合もあります。実は子どもの風邪の咳には、咳止め薬はあまり効果がないと言われています。咳の原因によって使う薬は変わりますが、子どもの咳で一番多いのはドロッとした鼻水が喉に垂れ込み咳が出ることです。この咳には、鼻水をやわらかくして外に出しやすくするカルボシステインを使います。喘息による咳の場合は、気管支を拡げる薬が効果的です。アスベリン®︎やメジコン®︎といったいわゆる咳止め薬は咳に対しての効果は乏しいため、なくても心配はいりません。

解熱鎮痛剤をもらったときは、余った分を手元に残しておきましょう。粉薬は3〜6ヶ月、座薬は1年ほど使うことができます。手元に残っている場合は病院で不要である旨を伝えましょう。

薬不足の解消にはまだまだ時間がかかるため、不要な薬を出さない、もらわないようにしていく必要がありそうです。