「放課後デイ」、「放課後等デイサービス」ってどんなところ?どんな人が利用できるの?町田市での申請方法や利用料金についても知りたい。
今回は、そんな放課後デイに関する疑問について、町田市玉川学園にある「放課後等デイサービス ニコア」の高城さんに詳しく教えていただきました!

Q
放課後等デイサービス(放デイ・放課後デイ)はどのようなところなのでしょうか?
高城さん

支援を必要とする障がいのあるお子さんや発達に特性のあるお子さんのための福祉サービスです。対象年齢は原則として6歳から18歳の就学している児童です。
お子さんが感じている困り感を減らし、生活しやすくなるようなサポート、自立した社会生活を目指した支援を行うところです。

Q
障がいや発達に特性があるお子さんとのことですが、行政から個別にお知らせのあった子だけが利用しているのですか?
高城さん

個別にお知らせが届くことはありません。支援を受けたいという希望のある方が、ご自身で調べ、問い合わせをして利用につながるというのが現状だと思います。
利用するにあたって、必ずしも医学的診断名が必要というわけではなく、発達に特性があり、日常生活や学校生活の中で困り感を抱えているお子さんも利用されています。

Q
発達に特性がある、日常生活に困り感がある、とは具体的にどういったことでしょうか?
高城さん

一例ではありますが、

 ・たくさんの人がいる所が苦手
 ・一斉指示が入りにくい
 ・不安が強くなると動きが固まったり、逆に動きが多くなり落ち着かない
 ・感覚の敏感さ、鈍感さがある
 ・こだわりが強く、切り替えが難しい
 ・読み書き計算が努力しているのに極端に苦手
 ・手先が不器用
 ・コミュニケーションが苦手
 ・ストレスを抱えやすい

など、それぞれに異なる困り感があります。

Q
日常生活の困り感はどの子もありそうですが…これも障がいなのでしょうか?
高城さん

困り感は誰にでもあることだと思います。その困り感はご本人自身で解決できそうなのか、どうにか乗り切れるものなのか、ご本人だけではどうにもできないことなのか、そこが問われるのかなと思います。
困り感は本人の特性だけが原因ではなく、環境なども大きく作用すると考えています。

日常生活や学校生活の中で、お子さんが困っているかどうか、その子にとって何が障がいになっているのかをよく見てみる必要があると思います。

Q
自分の子どもや周りで困っている場合、どこへ相談すればよいのでしょうか?
高城さん

放課後等デイサービスのご利用には「受給者証」が必要となります。
町田市であれば「子ども発達支援課」または、お住まいの地域の「障がい者支援センター」でご相談、申請ができます。

※「受給者証」とは、放課後等デイサービスをはじめとする福祉サービスを利用するための証明書です。障がいの種別や程度を証明している「障がい者手帳」や「療育手帳」とは異なります。

Q
療育とは違うのでしょうか?
高城さん

・療育はその子に合わせて必要なスキルを養うための練習 / 訓練を行う、困り感の軽減など目的をもって行うものです。
・放課後等デイサービスは施設・枠組みなので、各施設それぞれ行っている支援内容が異なります。預りがメインであったり、運動がメインであったり、就労に向けた内容だったり、療育をメインに行っているところもあります。

放課後等デイサービスは枠組みで、中身が療育と言った方が分かりやすいのかもしれません。必ずしも全施設が療育的なことを行っているわけではないと思います。

Q
町田市HPには「放課後や夏休みなどの長期休暇に…」とありますが、学童保育との違いはなんですか?
高城さん

学童保育は親がお仕事(就労)しているお子さんを預かる施設です。放課後等デイサービスは親の就労の有無は問われません。また利用するにあたって必ず個別支援計画を作成、それに基づいた支援を行っております。

Q
施設を探すときのポイントはありますか?
高城さん

正式なご利用開始は受給者証を取得してからとなりますが、受給者証を取得する前でも放課後等デイサービスへのご相談も可能です。利用を希望している施設に空きがない場合もありますので、施設を探してから受給者証の申請を行う方もいらっしゃいます。施設に問い合わせしてみると良いと思います。

それぞれの施設には特色があります。
支援内容、通いやすさ、送迎の有無など、利用目的によって選ぶポイントは異なると思いますが、大事にしていただきたいのは、お子さんに合っている環境かどうか、スタッフの雰囲気、保護者の方も相談しやすいかどうかだと思います。
気になる施設がありましたら、見学や体験にぜひ行ってみてください。

Q
利用料金は?補助などはありますか?
高城さん

世帯の所得に応じて、ひと月に負担する上限額が決められています。ひと月に利用したサービス量に関わらず、それ以上の費用負担は生じません。ただし、負担上限月額よりも、利用したサービス費の一割に相当する額が低い場合には、一割に相当する額となります。

引用:障害児通所支援(児童福祉法)| 町田市ホームページ

Q
日常の困り感が解消された場合、放課後等デイサービスは卒業することになるのでしょうか?
高城さん

そうですね、困り感が解消されたら卒業される方もいらっしゃいます。また、進学のタイミングなどによって卒業される方もいらっしゃいます。いずれにせよ、施設側から卒業を促すことはしません。ご本人と保護者の方の判断で卒業していきます。一度卒業してもやはり支援が必要だということで再度利用される方もいらっしゃいます。

いかがでしたか?
放課後等デイサービスは、障がいのある子だけの施設ではなく、集団生活で困りごとのある子が、自分に合った支援を受けられる施設なのですね!
お子さんが困り感を感じている場合は、町田市役所の「子ども発達支援課」や地域の「障がい者支援センター」、もしくは施設に直接問い合わせてみてください。

次回は、放課後等デイサービスの施設について詳しくご紹介します!

今回ご協力いただいたのは
東京都指定 放課後等デイサービス ニコア

参考サイト
放課後等デイサービス | 町田市ホームページ
放課後等デイサービス事業所一覧 | まちだ子育てサイト